歴史

京都で昔から親しまれる常の茶

「京番茶」は京都で古くから伝わっている歴史あるお茶で、日常的に飲まれ親しまれていたお茶です。そもそも「番茶」とは「普段使いの茶」という意味があり、そこに京都の「京」を頭につけ「京番茶」と呼ぶようになりました。京都の地域では「京番茶」を普段から飲んでいました。昔は、「京番茶」に塩を加え、煮出して冷やし、夏に塩分補給として飲むこともあったそうです。

特徴

スモーキーな薫香とやさしい味わい

番茶の中でも、特異な製法と素材をもつ「京番茶」は、焙煎の香ばしさを存分に感じるられると共に、お茶本来の繊細な甘みも味わうことができます。「番茶」よりもしっかりと焙煎しているため、しっかりとした香ばしさが感じられます。焙煎し香ばしさの強い香りとは裏腹に、すっきりとした味わいが印象的です。また、カフェイン含有量が圧倒的に少なく、刺激がないため赤ちゃんからお年寄りの方まで楽しめるお茶です。赤ちゃんが飲めることから「赤ちゃん番茶」とも言われています

製法

葉茎の形を残した製法

京番茶は玉露や煎茶の新芽を摘み取った後、残った大きな茶葉や硬葉を刈り取ります。そして、それらを蒸し上げます。蒸した茶葉を揉むことはせず、そのまま天日で乾燥させます。そして、乾燥させた茶葉を強火で焙煎します。揉みほぐすことなく、大ぶりな茶葉のまま焙煎するのが特徴的です。

淹れ方

薫香を楽しむ

「京番茶」の製法には揉む工程がなく、お湯を注いだ際お茶の成分が浸出しにくいです。そのため、揉む工程のある「煎茶」等と比べて、高い温度で淹れることで香りを引き出します。やかんで煮出して頂くのがおすすめです。夏は同じ方法で少し濃いめに煮出し、氷を入れてアイスでもお楽しみいただけます。カフェインが少ないので、ごくごく飲める夏のお茶としてお楽しみください。

一.やかんでお湯を沸かす

やかんで2ℓのお湯を沸かします。京番茶は、しっかりと味と薫香を出すために、急須で淹れるのではなく、やかんで煮出すことが大切です。

二.沸騰したお湯に茶葉を入れる

やかんのお湯が沸騰したら、京番茶を約20∼30g入れます。京番茶は揉む工程がなく、そのままの茶葉を使用しており、成分が浸出されにくいです。そのため、心持ち多めの茶葉を入れることがおすすめです。

三.2~3分煮出す

茶葉を入れて、2~3分煮出したら完成です。紅茶のような綺麗な赤茶色になれば飲み頃です。スモーキーな香りを感じつつ、さっぱりとした味わいを楽しむことができます。冬は温かくまったりと、夏は冷たくさっぱりと飲んでみてはいかがでしょうか。